事例
JSR株式会社と共同で、ビッグデータを発展させ、ウェアラブルデバイス「Heartnote™」を用い、うつ病患者と健常者の心電図や加速度データを最大7日間にわたり計測する共同研究を実施しています。
精神疾患は客観的な指標が乏しい中、本研究により診断や治療効果判定の客観性が高まり、早期診断や新薬開発評価など幅広い応用が期待されています。
本プロジェクトは、都市で働く人々の健康・働き方・生活習慣・メンタルヘルスなどのデータを、毎年継続的に収集・蓄積する「都市型ウェルビーイング・データベース」を構築する取り組みです。
森ビル株式会社と共同で、都市のオフィスワーカーを対象とした大規模なデータベースを基盤に、多様な企業・研究機関と連携した調査・研究を進めています。
基盤となるデータベース構築
麻布台ヒルズで働くオフィスワーカーを対象に、Webアンケートと定期健康診断のデータをもとにした調査を実施します。本調査は、所属企業を通じてご案内いたしますが、参加のお申し込みは従業員お一人おひとりから直接行っていただきます。研究に参加しないことによる(人事上の)不利益はありませんのでご安心ください。
参加者の負担は最小限に設計されており、年1回・約20分程度のアンケート回答と健診データの提供のみで参加可能です。調査結果の簡易フィードバックを通じて、健康意識の向上や社内施策への活用も期待できます。
このデータベースは、働く人々の健康課題を定量的に俯瞰する基盤として位置づけられており、今後の詳細分析や介入研究に向けたベースラインの構築という重要な役割を担っています。
主な取得データ
Webアンケート(所要時間:約20分)
ウェルビーイング
生活全般の満足度や生きがいを感じているかを伺います。
ワークエンゲージメント
仕事に対してどのように感じているかを伺います。
メンタルヘルス
気分の落ち込みや不安の程度について伺います。
セルフケア・セルフメディケーション
自身の健康をどのように管理しているか(薬の利用やセルフケアの工夫等)を伺います。 この項目が、健康支援のあり方を考える参考になります。
より詳細な社会的背景や嗜好品、昇進意欲等
より詳細にあなたの仕事や家庭環境について伺います。生活習慣や働き方の基盤となる背景を理解します。
参加企業例
EQTパートナーズジャパン、エムディー、KMD、コトラ、SHIFT、日本タタ、フィリップス、プロジェクトホールディングス、メルク、森ビル、桜十字、エキサイトホールディングス、エデルマン・ジャパン、トレジャーデータ、ZUU
参加者からの声
実際に参加して改めて感じたのは、一日の大半を占める仕事の時間が、いかに自分の心身に影響を与えているかということでした。仕事への熱意(ワークエンゲージメント)を保つことが不可欠だと痛感し、それ以来、忙しい中でも意識的に「息抜き」をするようになりました。私にとってそれは、移動時間に英語のラジオを聞くこと。仕事とは違う脳を使うこの時間が、結果的に仕事へのモチベーションを維持する鍵になっていると気づきました。(20代・女性)
いざ調査を受けてみると、自分では前向きに回答したつもりが結果は中央値。「世の中にはもっと幸福な人がいるのか…」と少し落ち込んだり、専門家の先生から「頑張って腸活をしても、腸内細菌は3週間で元に戻る」と聞いて衝撃を受けたりと、発見の連続でした。情報が溢れる今、私がこれからの研究に期待したいのは、むしろ「これは効果がない」というような、情報の“断捨離”です。(50代・男性)
データベースを用いた多様な研究
全体調査で得られるデータを基盤として、複数の研究を展開しています。
ウェアラブルデバイスの活用などにより、日常生活における睡眠時間、活動量、心拍変動、血圧、血糖指標などを継続的に取得し、個人単位での健康状態の変化や相関を高精度に可視化します。
これらは、通常の健診では得られにくいものです。
こうした追加データは、将来的な介入研究やソリューション開発の基礎となり、都市部で働く人々に適した健康支援のあり方を検討するうえで欠かせない要素となります。
JSR株式会社と共同で、ビッグデータを発展させ、ウェアラブルデバイス「Heartnote™」を用い、うつ病患者と健常者の心電図や加速度データを最大7日間にわたり計測する共同研究を実施しています。
精神疾患は客観的な指標が乏しい中、本研究により診断や治療効果判定の客観性が高まり、早期診断や新薬開発評価など幅広い応用が期待されています。
蓄積されたデータに基づいて、次に進むのが介入研究です。たとえば、「どのような行動がストレス低減や睡眠改善につながるか」といった問いに対し、科学的根拠に基づいた仮説を立て、その効果を検証します。必要に応じて、先進的な医療機器やアプリケーションの活用、特定グループの継続的なフォローアップなども実施します。
さらに、得られた知見や有効性の高い介入手法は、企業や自治体との連携のもとでPoC(概念実証)として現場への社会実装を目指します。職場環境の改善や行動変容を促す制度設計、メンタルヘルス対策の導入など、多様な展開が可能です。
これらの研究フェーズでは、民間企業の参画も積極的に歓迎しています。たとえば、自社従業員を対象とした試験的プログラムの導入や、既存施策との比較検証、プロダクト・サービスの開発・提供など、企業の知見と実践力が研究の実効性を高める重要なリソースとなります。
このように本研究では、基盤となるデータベースを出発点に、仮説の検証と社会実装を段階的に進めることで、理論と実践の架け橋となるウェルビーイング研究の実現を目指しています。
本調査は、都市をヒルズで働くオフィスワーカーを対象に、年1回の定期的なサイクルで実施される都市型調査です。
詳細はおおよそ以下の流れで進行します。
調査参加にあたって、企業としての準備や対応は最小限に抑えつつ、実施に必要なサポートを研究側が全面的に支援いたします。

個人向けダッシュボードから、回答結果の比較や回答に基づくアドバイス、また、ウェルビーイングやワークエンゲージメントなどの指標の解析結果を確認できます。 ※公開される回答結果において個人が特定されることはありません。

慶應義塾大学の医師や研究者による解析結果の解説やウェルビーイング、睡眠など健康に関するセミナー等のイベントにご招待します。

最新のウェアラブルデバイス等を用いて、健康診断では分からないご自身の健康状態を深掘りする研究にご参加いただけます。例:簡易脳波計を用いた睡眠検査、腸内環境チェックなど ※今後、準備が整い次第、改めてご案内します。
本プロジェクトは、“ちょっとした協力”が、未来の大きな変化につながる参加型の研究です。
アンケートや健診など、日常に無理なくできる調査を通じて、従業員の健康づくりにもつながるシンプルな取り組み。
さらにそこから、企業の人的資本強化や社会的な信頼の向上、新たな連携・共創のチャンスが生まれます。
ご関心をお持ちいただけた方は、下記フォームよりお気軽にお問い合わせください。
「詳しい話を聞いてみたい」「参加要件を知りたい」「調査結果を活用できるか検討したい」など、どのような段階でも歓迎しています。
以下のようなご関心・ニーズをお持ちの企業・団体の皆さまに、ぜひご参加いただきたいと考えています。
社員のウェルビーイングを把握し、健康経営や人事戦略に役立てたい企業からのお問い合わせをお待ちしています。
製品・サービス・制度などを対象に、研究機関との共同実証・検証を行いたい法人からのお問い合わせをお待ちしています。
※本研究の研究連携は企業・団体向けです。
個人の方の申し込みは対象外となります。
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